人工膵臓について Q21〜Q23
Q21 人工膵臓とは何ですか?
(A21) 人工膵臓については、当学会ホームページに説明されておりますので、ご参照ください。
大きく分けると、機械装置(エレクトロメカニカル)と、再生材料(バイオマテリアル)を使用したものに分けられます。機械装置を使用した、ベッドサイド型の人工膵臓は、主に次の要素で構成されています。
- 血糖値を測定するセンサー
- 血糖値を制御するのに必要な薬(インスリン、グルコース)の投与量を計算するコンピュータ
- インスリン、グルコースを注入するポンプ
糖尿病診断のもとになるデータを採取したり、目標とする血糖値に自動的に制御することができます。
(高知大学医学部外科学講座外科1 花崎和弘)
Q22 人工膵臓は、どのような患者に使用されますか?
(A22) 大きくは検査目的と、治療目的で使用されます。
- 検査目的
糖尿病の疑いがある患者さんの重症度診断(グルコースクランプ法による)
日々の生活に必要なインスリン量と投与方法の検討 - 治療目的
重症糖尿病患者さんの血糖管理
外科手術中、手術後の血糖管理等
外科手術、救急・集中治療分野の人工膵臓による血糖管理については、参考図書をご紹介します。
救急・集中治療Vol.21 no.11・12 p.1633-1637, 2009, 総合医学社。
(高知大学医学部外科学講座外科1 花崎和弘)
Q23 人工膵臓治療が受けられる施設は、全国に何ヶ所くらいありますか?
(A23) 現在、臨床使用されているベッドサイド型の人工膵臓については、検査目的および治療目的で、日本国内の大学病院を中心に臨床使用されております。当学会の2002年アンケート調査では所有施設数は148となっています。適用用途によって対象科が異なりますため、実際に人工膵臓で治療が受けられる施設につきましては、かかりつけ医に一度ご相談ください。
(高知大学医学部外科学講座外科1 花崎和弘)