人工臓器について Q1〜Q7

Q1 人工臓器の定義について教えてください。

(A1)人工臓器は、生体臓器(または組織)の機能の一部(または全部)を一時的に(または半永久的に)代行する人工(または半人工)の装置のことです。しかし言葉で述べる以上に、上の定義は色々な解釈ができます。たとえば、非常に広く捉えれば、入れ歯、松葉杖、メガネなども上の定義に当てはまりますので、広義の「人工臓器」かもしれませんが、普通はこのようなものをさしてわざわざ「人工臓器」と呼ぶことはありません。広く知られている人工臓器は、人工心臓、人工肝臓、人工腎臓などのように、主に胴体に含まれる内臓の機能代行装置です。首から上では、「脳の科学」や「人工知能」の研究を、人工臓器に含めることは稀ですが、人工聴覚や人工視覚は人工臓器の分野で扱われています。人工鼻は人工呼吸時に使用する加温・加湿装置のことで、嗅覚はありませんが、やはり人工臓器の一つと考えて良いでしょう。
 生体機能を模倣するために、駆動メカニズムまで模倣している場合(拍動型人工心臓など)と、機能を代行することだけを考えて異なるメカニズムで運転されている場合(軸流型人工心臓、人工腎臓など)とがあります。
 当学会では古典的な意味での人工臓器に加え、ハイブリッド型人工臓器や再生医療を含めた、最新医療科学について毎年さまざまな研究発表がなされています。

(湘南工科大学工学部マテリアル工学科 山下明泰)


Q2 将来、人工臓器や再生医療の研究がしたいのですが、どのような大学、大学院がありますか?また、どのような就職先(企業)がありますか?

(A2) 当学会では、進路先について具体的な大学名や企業名を挙げてご紹介することは行っておりません。インターネットなどを利用して検索することをお勧めします。ここでは研究者の所属する組織の形態についてご説明しますので、検索の際の参考にしてください。組織の規模でいうと人工臓器の研究者は、

  1. 研究所単位で集合している場合
  2. 医学部や工学部またはその合同の大学院に集合している場合
  3. 学科単位で集合している場合
  4. 研究室単独で研究が行われている場合
の4つに分けられます。「1」の場合には病院を併設している場合もあり、専門に関するあらゆる人工臓器についての研究・開発、ならびに臨床(治療)が行われています。「2」の場合も「1」とほぼ同様ですが、最近は大学の垣根を越えた組織も構築されています。「3」は特に臨床工学技士の養成を目的とする学科に多いようですが、現在では大学院博士後期課程まで設置されているところもあります。「4」の研究者は工学系に多いのですが、大学名、学部名、学科名には「人工臓器」に関する記述がないので探しにくいかもしれません。その研究者の名前を直接検索する他はないでしょう。
 大手の医療機器メーカは何らかのかたちで、人工臓器関連の事業を行っていることが多いようです。自分が将来やってみたい研究領域や人工臓器の名称をキーワードに、検索をかけるのが早道です。

(湘南工科大学工学部マテリアル工学科 山下明泰)


Q3 最先端の人工臓器について取材したいのですが、どのようにすれば良いですか?

(A3) 当学会では、一般の方に対する人工臓器の啓蒙活動、青少年の学習等のために、取材をお受けしています。当学会に対する正式なご依頼は、組織長(社長・学校長)から、当学会の理事長宛、文書でご提出いただいています(定型の書式はありません)。(持ち回り)理事会で承認後、ご依頼をお受けすることになります。理事長が上記の目的にそぐわないと判断した場合には、取材をお断りさせていただくこともありますので、予めご了承下さい。

(湘南工科大学工学部マテリアル工学科 山下明泰)


Q4 (市民講座などで)人工臓器について取り上げるので、専門家をご紹介下さい。

(A4) 一般の方に対する人工臓器の啓蒙活動、青少年の学習等が目的である場合、できるだけご協力いたします。しかし一般に人工臓器の研究は、臓器別に行われているため、たとえば、人工心臓の専門家が必ずしも人工肝臓について詳しい知識を持っているわけではありません。つまり「人工臓器」全体に関わる専門家というのは、ご紹介いたしかねます。お尋ねの際には、どの分野の研究者か、臨床系(医師)か工学系(工学系研究者および企業研究者)か、どの地域で行われるイベントかなどについてお知らせ下さい。

(湘南工科大学工学部マテリアル工学科 山下明泰)


Q5 (中学、高校、大学の)講義で使う資料を提供していただけますか?

(A5) 学会としてご提供できる講義用資料の用意はありません。当ホームページ上には、各人工臓器について、イラストを交えて簡単に紹介した部分がありますので、こちらをご利用下さい。また、一般の方向け、学会員向けのそれぞれのページに、1990年以降に発刊された図書を紹介した部分がありますので、合わせてご利用下さい。

(湘南工科大学工学部マテリアル工学科 山下明泰)


Q6 (学園祭、展示会などで)人工臓器に関する展示をするので、資料をご提供下さい。

(A6) 当学会には各人工臓器について、展示用パネルを用意しています。現状復帰を条件に無料で貸し出しております(ただし、往復の送料はご負担いただいております)。貸出期間が重複することがありますので、時間的に十分な余裕を持ってお問い合わせください。

(湘南工科大学工学部マテリアル工学科 山下明泰)


Q7 人工臓器を使うことで、生体にどのような影響が考えられますか?

(A7) 回答準備中

(大分大学医学部第二内科 友 雅司)

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