リレーエッセイ

2024.04.17

第13回:想像と創造

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作者プロフィール
氏名:山崎健二
所属:北海道循環器病院先進医療研究所


 考えてみれば面白い。「ブレークスルー」という言葉を聞くとまず「飛行機の発明」が思い浮かぶ。 1903年人類初の有人動力飛行を成し遂げたライト兄弟は自転車店を生業としていた。どうして当時の知能・学問の集積地である大学機関や大企業の研究所等を差し置いて、民間のライト兄弟がこのようなブレークスルーを成遂げられたのだろうか?

 また世界的大企業となったアップル社は、1976年21歳のジョブズと26歳のウォズニアックが僅か1300ドルの元手で自宅のガレージで創業しApple Iを完成させた事に端を発する。

 「全ての物は二度創られる」という言葉がある。全ての創造物は、まず想念次元で創られ、次に物質次元で複製されるという意味である。

 上記事例の両者に共通しているのは、既存の常識や概念に捕らわれることなく、自分の直観に基づき、頭の中にその完成形のイメージ・ビジョンを細部に渡るまで明確に描き切っていた事である。「明確に描き切れた想像は現実化できる」のである。別な表現をすれば「高次元における想念エネルギーが、3次元の物質界において結実し物質化する。」ものとも言える。

 私自身も1990年に研究開発を始めた補助人工心臓EVAHEARTに関して、考案後数年間は寝ても覚めても思案に明け暮れ、最終的な基本構造を脳裏に細部まで明確にビジュアライズできた時点で製品化・臨床応用することができた。その成否はさておき、「想念が現実化する」貴重な経験を得た。

 この100年間で人類の技術・文明は飛躍的な進歩を遂げ得たが、進化スピードの指数関数的な上昇を鑑みると、これから100年後の世界がどうなっているのか想像もできない。

 人間の知覚可能領域は極めて限られている。可聴周波数帯域は20 Hz~20kHz, 可視光線の周波数帯域は405~790 THzであるが、これらを超えて人間の五感では知覚不可能な周波数領域が無限に広がっている。

 適度な温度、酸素、水が存在する生命体存在可能領域をハビタブルゾーンと言うが、宇宙においてハビタブルゾーンは極めて限定的とされている。しかしこれはあくまで炭素化合物を主体とする生命体、物質次元の生命体においてである。「意識」こそ生命現象の本質であり、かつ物質界を超えた生命現象であると私は考える。ひとたび物質次元を超えた領域においては、生命体のハビタブルゾーンは宇宙の膨大な領域に広がっているのではないだろうか?そう仮定すれば、実は宇宙は生命に溢れており、その中には高度に進化した知的生命体も複数存在する可能性がある。人類より1万年進化を遂げた存在すらあるやもしれず、人類がしかるべき霊的成熟を遂げた時点を見計らってファーストコンタクトに踏み切るのではないか、それが近未来に起きるのではないかと想像は尽きない。

 そして想像は現実化する !??

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