人工腎臓とは

 腎臓(じんぞう)は体内の老廃物や過剰な水分を取り出したり、血液が酸性へ傾かないように調節する重要な臓器です。何らかの理由で腎臓が働かなくなると、人間は生きていくことができません。

 腎臓の機能が低下すると、人工腎臓と呼ばれる装置で血液をきれいにしなくてはなりません。人工腎臓装置には色々な形式がありますが、最も広く使用されているのが、血液透析です。これは半透膜という特殊な膜を介して血液から水分や老廃物を取り除くとともに、血液が酸性にならないように、電解質の組成を調節する装置です。

血液透析の概念を図1に示しました。腕の血管に針を刺し、血液ポンプで連続的に血液を取り出します。この血液ポンプは、ローラーを柔らかいチューブに押しつけながら回転することによって血液を一方向へ送っています。血液をきれいにする部分が、ダイアライザーと呼ばれる用具です。このダイアライザーに空気が入ると効率が悪くなるので、空気が入らないようにエアートラップと呼ばれる筒をダイアライザーの前に付けています。患者さんの体内にも空気が入らないよう、ダイアライザーの後にもエアートラップを付けます。ダイアライザーでは半透膜を介して血液をきれいにしますが、その時に血液を洗う液体が必要です。これを透析液と呼んでいます。透析液の中には、血液の酸性度を調節する重炭酸ナトリウムが含まれています。透析液を正確にダイアライザーへ送ったり、半透膜を介して血液から過剰な水分を透析液側へ引き込むための装置がコンソールです。コンソールにはいろいろな警報も付いており、安全に血液透析ができるようになっています。 

ダイアライザーは長さが30cmほどの筒状になっており、その中にホローファイバーという極めて細い糸がⅠ万本も入っています(図2)。この糸はマカロニのように中心部に穴があいており、その穴の中を血液が流れ、糸の外側を透析液が流れます。糸は水や老廃物を通すように作られていますので、連続的に血液を送ることによって血液がきれいになります。実際の写真を図3に示しました。図4は筒を切って中の糸を出した状態です。

 図1 血液透析の概念

 
図2 ダイアライザー

 
図3 実際に使用されているダイアライザー

 
図4 ダイアライザーを切った状態

糸にあいている孔の直径は0.2mmです。糸の膜厚みはさらに一桁下の0.02mmぐらいです(図5)。

図5 ダイアライザー内に入っているホローファイバー

 コンソールには図6のように血液ポンプや警報装置が組み込まれており、患者さんのすぐ脇に置いて血液をきれいにします。ダイアライザーもコンソールに取り付けます。血液透析は通常週2~3回、4~5時間連続して行います。血液を1分間に200ccぐらい取り出しますので、操作には専門の知識と熟練が必要です。腎臓が悪くなった患者さんは病院や人工透析施設へ通い、血液をきれいにしています。

図6 コンソール




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