平成15年3月11日

日本心臓血管外科学会 会員 各位
日本胸部外科学会 会員 各位
日本人工臓器学会 会員 各位

日本心臓血管外科学会 理事長 古瀬  彰
日本胸部外科学会 会長 小林 紘一
日本人工臓器学会 理事長 許  俊鋭

 

陰圧吸引補助脱血体外循環に関する勧告

 平成14年7月、日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会および日本人工臓器学会は、陰圧吸引補助脱血体外循環に関する3学会合同検討委員会を組織した。その後この委員会において実験的研究を含めた入念な検討が行われ、今回、中間報告書が提出された。その中で本法実施にあたっての具体的な勧告がなされている。
 一方、平成14年度の厚生労働科学研究「人工心肺の安全マニュアル作成に関する研究」で実施された本邦のアンケート調査の結果、本法に関して多数のインシデント・アクシデント事例が発生しており、上記の勧告に反する状況での実施も少なからず認められているという実態が明らかになった。
 このような事態に鑑み、学会としては一刻も早くこの勧告を会員に周知し、さらなるインシデント・アクシデントの発生防止に努めることが必要であると考え、学会ホームページならびに会員メーリングリストを使用して、この中間報告書を周知することとなった。会員各位には、この勧告を遵守されるようお願いする次第である。

 

3学会合同陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会中間報告
(平成15年3月2日)

 

委員長   高本 眞一
許  俊鋭
四津 良平
坂本  徹
又吉  徹
見目 恭一


 

 この委員会は平成13年3月に東京女子医大にて発生した陰圧吸引補助脱血体外循環に関わる事故がきっかけとなり、安全な陰圧吸引補助脱血体外循環法を検討する目的で日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会3学会が合同で設置したもので、上記4人の医師と日本体外循環技術研究会から2人の技士が参加した。
 我々は平成14年8月3日より現在までに計7回にわたり委員会を持ち、陰圧吸引補助脱血体外循環に関する問題点、解決法につき検討をした。内2回は手術室において、シミュレーション実験も行った。
 最終的な報告書は近々各学会の理事会に提出し、会員にも公開する予定であるが、全国アンケート調査によるといまだこの方法に関してもインシデント、アクシデントが起こっており、委員会としても早急に中間報告を出して、安全な陰圧吸引補助脱血体外循環法のガイドラインを公表すべきと考えた。
 従って本委員会としては陰圧吸引補助脱血体外循環を施行する際に次の4点を遵守するように勧告する。

  1. 陰圧吸引補助ラインにはガスフィルターを使用せず、ウオータートラップを装着する。
  2. 陰圧吸引補助ラインは毎回滅菌された新しい回路を使用する。
  3. 貯血槽には陽圧アラーム付きの圧モニター並びに陽圧防止弁を装着する。
  4. 陰圧吸引補助を施行する際には微調整の効く専用の陰圧コントローラーを使用する。



3学会合同(日本胸部外科学会、日本心臓血管外科学会、日本人工臓器学会)
陰圧吸引補助脱血体外循環検討委員会報告書に関する(抜粋)」 <PDFファイル>